ZETA DIVISION、ポケモンユナイト世界一の座を掴む──WCS2026優勝の軌跡

2026年8月30日、アメリカ・サンフランシスコのモスコーニ・センター。ポケモンワールドチャンピオンシップス2026(WCS2026)ポケモンユナイト部門のグランドファイナルが終わった瞬間、会場は大きな歓声に包まれた。優勝したのは日本のプロeスポーツチーム「ZETA DIVISION」。決勝でKOMAÏを2-1で下し、悲願の世界一の座を手にした。

賞金総額50万ドルの大会で優勝賞金は10万ドル。Liquipediaの公式結果でも1位ZETA DIVISION、2位KOMAÏ、3位IGZIST、4位Grêmio Esportsと記録されている。公式アカウントが「WCS2026 優勝は…🏆 ZETA DIVISION 🏆」と発表した瞬間、日本中のファンが喜びを爆発させた。

この勝利は、単なる一大会の結果を超えた意味を持つ。なぜなら、2026年大会はポケモンユナイトがWCSの正式部門として開催される最後の大会だったからだ。2027年からは新しい国際大会「Aeos Crown Tokyo」へと移行することが発表されており、WCS形式でのユナイト世界一決定戦は今回が最後となった。最後のWCSで日本チームが頂点に立った意義は大きい。

ZETA DIVISION WCS2026優勝

チームの歩みと試練

ZETA DIVISIONのポケモンユナイト部門は2024年6月に正式発足した。初期メンバーにVitoppo、Rom(Romumaru)、1LevUPらが名を連ね、以後徐々に戦力を固めてきた。2024年のWCSでは5〜8位、2025年のWCSでは準優勝と着実に結果を残してきたが、頂点には届いていなかった。

2025年は特に惜しかった。日本大会で準優勝し、世界大会でも決勝まで勝ち上がりながら、PERÚ UNITEに敗れて銀メダルに終わった。選手たちはその悔しさをバネに、2026年シーズンに臨んだ。

しかし2026年序盤は決して順風満帆ではなかった。Asia Champions League 2026 Japan Leagueでは9位と苦戦。日本チャンピオンシップス2026(PJCS2026)でも初戦敗退の5〜8位に終わり、一見すると出場権を逃す危機に瀕した。だが、すでにPUACLで出場権を得ていたFENNELとREJECTを除く繰り上がりで、シード順位の高さを生かしてWCS出場を決めた。まさに「繰り上がりからの世界一」という劇的なストーリーが生まれた。

メンバーも大きく変わった。2026年に入り、iamTomato、Wajiro、Tomyらが退団し、Mizutama、Nomu、ResTAが加入。VitoppoとRomを軸に、新しい顔ぶれで臨んだ最後のWCSだった。現在の主力はRomumaru、Vitoppo、1LevUP、Mizutama、Nomu、ResTAといった布陣だ。

大会での戦いぶり

WCS2026は8月28日から30日までの3日間で開催された。グループステージはシングルラウンドロビンのBo3形式で、上位チームがプレーオフに進出する。ZETAはグループEに入り、T1に2-1、7VENに2-0と勝ち上がり、首位で通過した。

プレーオフでは圧巻の連勝を重ねた。準々決勝でFENNELを2-1、準決勝でEvil Geniusesを2-1で下し、準決勝相当の激戦では同じ日本のIGZISTを3-2で下して決勝進出。特にIGZIST戦は2本を取られた後にピックと動きを変えて3本取り返したという、選手自身が「激アツ」と語る大逆転劇だった。

決勝の相手はKOMAÏ。グランドファイナルはBo5形式だったが、結果としてZETAが2-1で勝利を収めた。試合ではグラードン、カイオーガ、レックウザといったレジェンドポケモンを巡る集団戦で優位に立ち、Romumaruが複数のMVPを獲得するなど活躍した。Vitoppoや他のメンバーの連携も光り、チーム全体の完成度の高さを示した。

プレーオフ全体を通じてのMVP獲得数でもRomumaruが4回、Vitoppoが3回と上位に名を連ね、個人としてもチームとしても充実した大会となった。

日本勢の強さとコミュニティの熱狂

今大会は日本勢の活躍が際立った。ZETAの優勝に加え、IGZISTが3位、REJECTも5〜8位に入るなど、上位に日本チームが複数名を連ねた。2024年にFENNELが世界一になって以来の日本優勝であり、ユナイトにおける日本の強さを改めて世界に印象づけた。

大会終了直後、X(旧Twitter)では「ZETA優勝おめでとう」「最後のWCSで日本優勝が見られて感動した」といった声が溢れかえった。ユナイトを知らなかった人からも「点数や気絶が視覚的にわかりやすくて楽しい」「また始めてみようかな」といった反応が相次ぎ、競技シーンの盛り上がりが一般層にも広がるきっかけとなった。

ZETA DIVISIONの公式アカウントも「Mission accomplished: Proven to be the strongest🏆 応援ありがとうございました!! 俺たちが世界一のユナイトチームだ🥇✨ #ZETAWIN #WCS2026」と喜びを投稿。選手一人ひとりの努力と、ファンの応援が結実した瞬間だった。

今後への展望

この優勝は、ZETA DIVISIONにとって歴史的な一ページとなる。組織全体としても、Overwatch部門での世界一など複数タイトルを抱える中で、ユナイト部門が頂点に立った意義は大きい。選手たちにとっては、悔しさをバネに成長し、最後のWCSで結果を出した経験が今後の糧になるだろう。

ポケモンユナイトはこれから新しい大会形式へと移行する。Aeos Crown Tokyoを中心とした国際シーンで、日本チームがさらに活躍する基盤を、この優勝が築いたと言える。VitoppoやRomをはじめとする選手たちの「もっと上を目指す」姿勢は、これからもファンを魅了し続けるはずだ。

2026年8月30日。サンフランシスコの地でZETA DIVISIONが世界一になった事実は、ポケモンユナイトの歴史に確かに刻まれた。最後のWCSを最高の形で締めくくった日本チームに、心からの拍手を送りたい。おめでとうございます、ZETA DIVISION。そして、次のステージでも最高の戦いを見せてくれることを期待している。